K
I
Z
U
N
A
is a policy that our courses hold dear.
いのちを繋ぐ絆
~クリティカル・クエスチョン~
前任の遠藤善裕先生のご退任に伴い、令和4年5月1日付で実践看護学講座(クリティカル領域)教授を拝命御致しました。本領域は従来外科系の医系教員が担う領域であることより、私もその例に違わず外科系である産科を専門としております。
さて『クリティカル』とは、医療において生命の危機的状態を意味しますが、私の専門である産科では「産科危機的出血」がその代表的な病態であります。極めて短時間に母体の全身状態が悪化し線溶亢進型DICに陥ることがその特徴で、外傷急性期の凝固線溶系の変化と酷似しています。「羊水塞栓症」や「常位胎盤早期剥離」が代表的疾患でありますが、ひとたび介入のタイミングが遅れると母体死亡に直結するいわば『クリティカル』な病態であると言えます。このような病態に陥った母体を救命するにはどうすればよいのか?私が日々日頃考えているところでありますが、当然、輸血はじめとする補充療法、DIC治療の基本である抗凝固・抗線溶療法、呼吸循環管理、さらには血液浄化療法に至るまで、非常に幅広い領域に治療を展開していかなければ救命には至りません。いわゆる集学的治療であります。この集学的治療を確立するためには、医師のみの対応では困難であり、助産師、看護師、パラメディカルの方々など非常に多くの医療従事者の協力が必要不可欠であります。そのためにも微力ではありますが、一人でも多くの『クリティカル』な病態に対応できる知識と技術を身につけた看護師の育成に邁進する所存であります。言い換えれば他職種と連携して医療を提供する体制、すなわち『絆-KIZUNA』に他なりません。
また、私の専門の診療科が産科であることより、本学実践看護学講座『母性看護学・助産学』の先生方とも協力して、優秀な助産師の育成にも携わっていければと思います。

滋賀医科大学医学部看護学科
実践看護学講座(クリティカル領域)
教 授
喜多伸幸
教室の紹介
クリティカル教室の日常や活動をご紹介。
生徒主体で自由に投稿をしています。
クリティカル教室の魅力を知っていただけましたら幸いです。

